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オタク(ヲタク)はうつにならない、は本当か?

医師 青木 さなえ

「おたく」… 相手の家を指す敬称、「御宅」であり、転じて相手の家庭、夫を指す二人称代名詞なんです。元の語源は。
1983年に、あるコラムニストが「コミックマーケット」というSFや漫画やアニメなどの若いファン達がお互いを「おたく」と呼び合っていた現象を揶揄(やゆ)して、彼らを「おたく」と分類した、とされています。転じて今では「愛好者を指す呼称」となっています。

●オタク第1世代(1960年前後生まれ)
ウルトラマン、仮面ライダー、世界名作劇場、ルパン三世、宇宙戦艦ヤマト… いわゆるバブル世代。連続幼女誘拐事件が起き、その犯人が同世代であったことから、オタク趣味を持たない同世代や年長者からの偏見、差別がありました。
●オタク第2世代(1970年前後生まれ)
マガジン、サンデー、ジャンプ、ガンダム、ファミコン、スター・ウォーズ、ET… まだまだ偏見・差別は続きます。
●オタク第3世代(1980年前後生まれ)
エヴァンゲリオン、プレステ、ストリートファイター、ときめきメモリアル… アニメでの性的表現、残虐、暴力描写の自主制限が始まります。
●オタク第4世代(1990年前後生まれ)
2ちゃんねる、YouTube、ニコニコ動画、初音ミク、電車男… 「萌え」という言葉が流行語大賞になります。

この頃から、トレンディドラマ、J-POP、洋画などなど、オタク文化がそれ以前の一般的な大衆文化と肩を並べるようになり、現在に至ります。こうやって考えると、今や「オタク」は市民権を持ち、すでに死語かもしれません。

私、いろんな「好き」はたくさんあるので、立派な「オタク」です!皆さん、好きなものはありますか?好きな趣味、できていますか?疲れちゃったり、忙しかったり、好きなことをできてなかったり、忘れていないですか?
仕事や育児や介護…忙しくても、ちょっと美味しいコーヒーを飲んだり、本を読んだり、編み物したり、配信見たり、ゲームしたり…。そのちょっと、できなくなった時、好きを楽しめない時、やれない時、眠れない時、美味しいって感じない時、それは「うつ」の始まりかもしれません。「うつ」は心の病気ではなく、脳内の伝達物質がうまくでないことで起こります。「幸せホルモン(セロトニンやオキシトシンなど)」が出なくなって起こります。だから「オタクはうつにならない」よりも「うつになったらオタク活動はできない」が正解でしょうか?

私の大学の教授の口癖、「空を見ろ、飯を食え、本を読め!」今ならその意味がよくわかります。もし、好きなことができなかったり、見つからなかったり、つらい時、まずは空を見ませんか?忘れていた好きや小さな頃の夢、思い出すかも?それだけで、コロナ禍でのストレスも、乗り切れるかもしれません。
私の夢ですか?もちろんあります!新宿のアニメーション学院の声優科に行くことです!(本気と書いて、マジと読む!)

「健康さんぽ95号」

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