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インフルエンザワクチン

もうインフルエンザ!?毎年新しく製造されるインフルエンザワクチン。10月から医療機関にて接種が開始されます。日本では毎年1~3月を中心に流行しますから、流行時期にワクチンの効果が期待できるようにワクチンを接種することが予防のコツ。特に年少のお子さんは2回接種が必要です。ご家庭でワクチン接種の計画を立ててみてはいかがでしょうか?

◆インフルエンザワクチンができるまで◆

インフルエンザワクチンの基となるウイルス(ワクチン株)は、国内外のインフルエンザ情報に基づいた流行の予測から決定されています。毎年、WHO(世界保健機構)が推奨ワクチン株を発表し、国内の流行分析、世界の最新情報などを基に、国立感染症研究所をはじめ、専門家によって日本のインフルエンザワクチン株が決定。各ワクチン製造メーカーによって製造されます。

インフルエンザにはA型、B型、C型といった型があります。A型は、渡り鳥などによって地球規模で運ばれます。どの型が来年流行するのかという予測は地球規模での動向を分析して行われていますが、パンデミック(世界流行)を引き起こす可能性もあります。B型は、ヒトと海生哺乳類の一部のみに感染するため宿主範囲は狭く、A型のようなパンデミックは発生しません。C型は、ヒトとブタに感染してインフルエンザを引き起こします。A型、B型に比べて稀ですが局地的なエピデミック(※注)を引き起こします。

因みに、ワクチンを製造するのに必要なものは「生きたウイルス(病原体)」と「ウイルスを増殖させるために必要な細胞」です。ウイルスは細菌とは異なり、生きた細胞の中でしか増殖しないという特徴があり、大量に必要となるため、受精した鶏卵で作られます。未受精卵では細胞が分裂・増殖しませんからね。

※注 一定の地域にある種の感染症が通常範囲を超えて罹患する、またはこれまで流行がなかった地域に感染症がみられる予期せぬ状況で一定期間に限られた現象のこと。

「健康さんぽ60号」

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