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カレーの種

医師 小倉 康平

私は物心ついた頃からカレーが好きで好きでどうしようもなく好きでした。カレーだったら大皿3杯でも4杯でも食べられました。3食カレーでも怒るどころか狂喜乱舞するくらいに。

ところで皆さん、カレーってどうやって作りますか?多くの方は、市販のカレールーを使いますよね?野菜とお肉をザクザクっと切って、ジューッと炒めて、お水を加えて、煮立ったらルーを入れて、はい、できた!失敗知らずで、誰が作っても美味しい!まさに魔法のようなカレールー!開発した方にはノーベル料理賞を差し上げたい思いです。

でも、なんでこんなに美味しいのでしょうか?ココがちょっと注目です。スーパーに行ったら、カレールーの箱の裏や側面を見てみてください。食品表示欄の原材料を見ると(原材料は、量の多い順番に書かれています)

1食用油脂(パーム油、牛脂、豚油等) 2小麦粉 3砂糖 4食塩 5カレー粉 6その他 ・・・。

え~っ!油脂?次が小麦粉?塩よりも砂糖が多い?塩よりカレー粉の方が少ない?その他の中には、調味料(アミノ酸)の表記が・・・。市販のルーの成分は、約40%が油、残り40%が小麦粉です。肝心のカレー粉はなんと20%以下。実際は10%も入っていれば良い方です。カレールーとは言いながら、油・小麦粉・砂糖・塩がほとんど。これが魔法の種なのです。ケーキの材料と変わらないでしょ?人間、甘くてファティーなものが大好きなの!

実際に、カレー粉から市販のルーと同じような味にしようとすると、大量の油を入れることになります。カレーの鍋やお皿がベタベタになるのも、カレーが女性の天敵のように言われるのも、これが理由だったのです。

ここまで読まれた方には、もうカレーなんて食べないと決意を固めた方がいらっしゃるのではないでしょうか?でも、そんなに嫌わないであげてください。カレーは悪くないのです!そこで、ふたたびカレーライスを食卓に登場させたいと思います!方法は2つ!

「もうカレールーは使わない!」という方は、カレー粉を使ってカレー風味の料理を楽しみましょう。スープカレーやドライカレーを試してみてはいかがでしょう?ルーを使わなくてもできるカレーはたくさんありますよ!

「そんなのカレーじゃない!」という方は、ルーの量を調節しましょう!玉ねぎを多めに用意し、みじん切りにしてしっかりと炒めます。煮込むときにはコンソメなどを入れてうまみを加えます。しっかり煮込めばジャガイモやニンジンが溶けてとろみがつきますよ。ルーは思い切っていつもの半分に。味が薄くならないよう、カレー粉、ソース、ケチャップなどで少し味付けします。トマト缶でトマトカレーにしたり、トッピングに野菜を加えるなどのアレンジも美味しいですよ!ちょっとした工夫でカレーはむしろヘルシーフードに!夏バテしていても食べやすい!暑い暑い夏は辛いもので汗をかきたいもの。今年はヘルシーなカレーで夏を乗り切りませんか?

「健康さんぽ63号」

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