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健康コラム君津健康センターの医師・スタッフから、
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ニューイヤーコンサート
Das Neujahrskonzert

医師 三浦 正巳

いつも音楽関係で恐縮です。

新年のお祭りと言えば私の中ではまず、ニューイヤーコンサート。一般にニューイヤーコンサートと言えば無条件にこれを指します。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート(Das Neujahrskonzert)は、毎年1月1日にウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)で行なわれる演奏会です。ヨハン・シュトラウス2世を中心とするシュトラウス家の楽曲が主に演奏されます。映像はライブで世界各国に中継され、世界中で多くの人々が楽しんでいます(80ヶ国以上、4億人とも)。

1939年12月31日に初めて開催され、その後、毎年1月1日の正午に開催されています。

まあ、音楽的には深い内容もなく、いつも決まった曲しかやらないとか、真面目に聴いているとまことにつまらない演奏会なのですが、最近になり、やっとウィーンの聴衆がなんでこんなに夢中になり、真剣に楽しんでいるのかということがわかってきたような気がします。あくまでもお祭りなのです。最近ではバレエを楽しそうに踊る場面もあります。

彼らの長い歴史を持つ誇り、先人たちに対する敬愛、感謝の意思が強く感じられます。そして新年の区切りとして、今を生きることを皆で感謝し楽しみを分かち合う、といったことなのでしょう。

ウィーンの人々の多くは子供のころから、音楽、バレエ等に親しんでいます。芸術が生活の一部になっているといっていいと思います。日本はまだまだでしょう。このような歴史ある、ニューイヤーコンサートが長く続いていることが一つの証明であると思います。

指揮者は毎年変わります。(公式には)団員全員による投票によって決定される超、超一流の指揮者ぞろいです。2002年には小澤征爾が、アジア人ではズービン・メータに続き2人目の指揮者に選ばれました。さすが日本の誇る世界の小澤です。(わたしはあまり好きではないのですが)

実際、中継を見られた方も多いと思いますが、新年を祝う気軽で陽気なコンサートなのですが、新年のはじめであり会場の聴衆は正装をしています。その中でいつも気になるのが日本人が着物で目立っていることです。(結構多い)

チケットは超入手困難、世界一高額なのですが、どうやって手に入れるのか、不思議です。

まだ中継をご覧になったことのない方は一度でいいので見て(聴いて)いただきたいと思います。ど派手で、ただの落ち着きのない、やかましい品のないコンサートと映るかも知れませんが、彼らの歴史、生活を考えるとただのバカ騒ぎでない、生きる楽しみ、勇気、希望が感じられるかもです。

「健康さんぽ77号」

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