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ヨーロッパの美術館を巡る旅

医師 赤星 みどり

 

海外旅行は観光名所を回るだけでなく、美術館を巡るのも楽しみのひとつです。特にヨーロッパには有名な美術館が沢山あります。事前の情報をあまり仕入れず、入った美術館でなじみのある絵に出会えた時は感激します。

世界で最も有名で、また多くの作品があるのが、パリのルーブル美術館ではないでしょうか。そのルーブルで一番有名なのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」。防弾ガラスで厳重に保護された「モナリザ」の前はいつも人だかりで、じっくり落ち着いて見るのは困難です。しかし、それ以外は美術館自体が広いため、時間をかければゆっくり見ることができます。フェルメールは、「レースを編む女」と「天文学者」の2点が同じ部屋に並んで展示されています。しばらくいると誰もいなくなる瞬間があり、その時はフェルメールを独り占めでき、何とも満ち足りた気分になります。

セーヌ川をはさんでルーブルの斜め向かい側にあるのが、オルセー美術館です。ここには、ルノアールやモネなどの印象派の絵画が多く展示されています。元々は駅舎だった所を美術館に改装したもので、天井の高い中央ホールにその名残が残っています。ここでドガの「エトワール(舞台の踊り子)」に出会い感激です。やはりセーヌ川沿いにあるオランジュリー美術館は、モネの睡蓮のために作られた美術館です。睡蓮の部屋ではソファーに座り、360度を睡蓮の絵に囲まれて過ごすことができます。

パリ郊外にあるのが、マルモッタンモネ美術館。ここには印象派の名前の由来となったモネの「印象・日の出」があります。この作品は、1985年に盗難にあい、1990年コルシカ島で見つかり戻ってきたという逸話があります。地下にひっそりと展示されていました。
オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館は、有名な「真珠の耳飾りの少女」をはじめ、フェルメールの作品が3点展示されています。「真珠の耳飾りの少女」は3階にあるため、開館と同時に駆け上がり、他の人がまだ誰も来ない約10分間独り占め、本当に贅沢な気分になりました。

ロンドンのコートールド美術館は、マネの「フォリー=ベルジェールのバー」の絵が有名です。行ったところ、改装のため休館中。何と日本で展示会が行われるとのこと。日本でコートールド展が始まる少し前の出来事でした。改装などの時は海外に貸し出されることが多く、日本では多くの海外の絵画展示会が開かれています。
オランダのアムステルダム国立美術館には、レンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」など。ノルウェーのオスロ国立美術館には、ムンクの「叫び」。ウィーンのウィーン美術史美術館にはブリューゲルの「バベルの塔」とフェルメールの「絵画芸術」。他にもバチカン市国のシスティーナ礼拝堂の天井画、ミラノのレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」、フィレンツェのウフィツィ美術館にあるボッティチェリの「プリマベーラ」などなど。ヨーロッパは行く先々で、よく知っている絵画に出会うことができます。

美術館巡りをするうちに、30数点しか現存していないフェルメールの作品をできるだけ沢山見たいと考えるようになりました。フェルメール全点踏破には、まだまだほど遠いのですが、いつの日か達成できればと思っています。

「健康さんぽ88号」

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