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健康コラム君津健康センターの医師・スタッフから、
こころとからだが元気になるコラムを発信していきます。
みなさまの健康生活にぜひお役立てください。

心もからだも健康になる食事

管理栄養士 西田 真喜子

食べることは命の根源です。しかし油断していると意外な落とし穴があることも・・・。食事がパンや麺類など炭水化物に偏ったり、体や筋肉を作るたんぱく質が不足するなど自分の好みで食品を選んでいるといつの間にか栄養素バランスが悪くなりエネルギーの過剰摂取、意外にも低栄養状態に陥ることもあります。良好な身体機能の営みを妨げるだけではなく、心の不安定や持病や疾病を悪化させる危険もあり、生きるための食事が逆に生命を脅かすことにつながることさえあります。現在そして将来の健康を考えながら「心もからだも健康になる食事」として、今すぐできる簡単なコツと見直しのポイントをお伝えいたします。

食生活の基本

  • * 1日3食を基本に、生活リズムを整える
  • * 腹八分目の量を意識し、適正体重を維持する
  • * 主食、主菜、副菜をそろえて、色々な食品を組み合わせる
  • * 旬の食材、地域特有の食材を味わう
  • * 食を通じて人との交流を大切にする

 

心が心がよろこぶ食事

食べることで楽しい気持ちになったり、気持ちが落ち着いたり、元気やパワーが出たような気分になったことはありませんか。家族と一緒に楽しく食べた料理、遠足のお弁当、懐かしい味、長蛇の列に並んで食べた料理、自分で作った料理、大好きな人の手料理、家庭菜園の野菜。皆さんにも心が躍る気持ちになる料理はきっとあるはずです。心が元気になる料理は大切ですが、生活習慣病や生命に関わる食べ方は量や回数を見直すことも必要です。

からだがよろこぶ食事

空腹は一番のごちそうです。体をしっかり動かし空腹にすることは自然のリズムですが、動かない状態で3食満腹は肥満の原因になります。成長期は身体の成長に合わせて、必要なエネルギーを栄養素バランスの整った食事やおやつとして取り入れることが基本です。成人の場合は身体機能の維持、健康増進が目的になるとともに補修やリカバリーに特化した栄養素を積極的に摂取することも有効な食事と言えるでしょう。逆に偏った食事や暴飲暴食は消化機能などの過重労働になり体は悲鳴をあげているかもしれません。

 

❖ 心もからだも健康になる食事のコツとポイント

➤ スポーツや労働、作業などで筋肉疲労が大きいとき

筋肉の原材料はたんぱく質です。筋肉を大きく動かした後の食事は、たんぱく質とビタミンB群、ビタミンCの摂取を意識すると筋肉疲労の回復や筋肉の増強に有効です。焼肉の場合は、カルビやロース、霜降り肉は脂肪が多い部位ですので気をつけてください。果物や野菜の摂取が難しい場合は、野菜ジュースやオレンジ100%ジュースでも代用は可能ですが、1日200mlが目安です。

➤ 心にストレスを感じているとき

和食のだしの効いた汁物や煮物がおすすめです。だしには気持ちを落ち着かせる効果があります。葉酸の多い緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)も意識して召し上がりましょう。あなたにとって心が元気になる料理を思い出してください。

➤ 行事食も大切に

おめでたい行事は食と共にあります。例えばお正月のおせちやクリスマスのチキン、お誕生日のケーキ、ひな祭りのちらし寿司、最近では節分の恵方巻も定着しています。食卓に1品でも取り入れて、季節を感じながら食を大切に味わうことは年齢に関わらず心の豊かさにもつながってくると思います。

➤ 食べ過ぎたあとや外食が続いたとき

胃腸の負担を軽くしてあげることが第一です。まずは腹八分目を心がけ、油脂を控えた  和食をゆっくりよく噛んで召し上がりましょう。水分は温かいものがよいでしょう。

➤ 自炊にトライ!料理作りを楽しみましょう

フライパンは便利です。炒める以外にも魚を焼いたり煮物を作ったりピザを焼くこともできます。一人暮らしの方でも24~26㎝サイズがおすすめです。レシピを参考にしながら味付けは好みに合わせて、盛り付けは個性的でOKです!

➤ お惣菜は力強い味方。上手に選んで健康管理

最近のお惣菜は様々な国の料理や流行りの料理などバラエティー豊かだと思いませんか。たくさんの種類から何を選ぶのかがポイントです。茶色だけにならないように緑、赤、黄、白など色彩が鮮やかになるように意識すると栄養素バランスも整ってきます。

 

❖ 地球の未来に向けて、SDGsを意識してみよう

持続可能な開発目標(SDGs)とは、すべての人々にとってよりよい、より持続可能な未来を築くためのものです。食生活との関係性も深く食料の生産、共有、消費の方法を見直し、食品ロスを減らすことや海の豊さを守ること、環境汚染に関心をもつことなどもあります。身近なことでは、エコバックの利用や食べ残しを減らす、ゴミの分別など。皆さんの意識と行動がよりよい未来の食環境にきっとつながります。

「健康さんぽ100号」

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