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新しい時代と働き方

医師 山瀧 一

今から30年前の1月は重苦しさと慌ただしさの中で幕を開けました。その時、私は中学生でしたが、当時の小渕官房長官が新しい年号を発表している場面、その翌日の登校日で新年号に対する「しっくりしない感じ」をクラスで話し合ったことを鮮明に記憶しています。昭和が現代から過去になった瞬間でした。

その時から30年が過ぎ、平成もすっかり日常としてなじんだものになりました。そして平成も半ばを過ぎたころから、「昭和な感じ」「昭和の雰囲気」という用法を耳にするようになりました。この用法の中での「昭和」には、根性第一で非合理的であるとか、画一的であるといった意味合いが込められているようです。

昭和は戦争をはさんで二つに分けられます。戦後の高度経済成長は、多くの人々に、それまでなかったような豊かな生活をもたらしました。その原動力となったのは重厚長大とも言われた製造業であり、男性を中心とした質の揃った働き手による長時間労働がその基盤にありました。人口の増加が急速な経済成長をさらに後押ししました。生活水準が大きく向上した結果、平均寿命も大きく伸長しました。

しかし、昭和後期から産業の構造は製造業から情報産業やサービス業など第三次産業へと変化し、人口の伸びも鈍化、やがて減少する局面にさしかかっています。振り返ってみると、平成は昭和の構造を残しつつ、このような変化への対応に迫られ続けた時代と言えるかもしれません。

社会の変化に伴い、昭和にイメージされるような男性中心の長時間残業を前提とした働き方は、既に成り立たなくなっています。国レベルでは、女性の活躍、高齢者が働き続ける環境づくり、病気を持った人が治療を続けながら仕事も両立させていくための方策、外国人労働者についての検討が進められ、それを背景に「働き方改革」が推進されています。しかし、法令や制度というレベルを超え、それぞれの職場、ひとり一人の意識も変化に適応していく必要があるでしょう。健康づくりにおいても、ひとり一人がそれぞれに合った形で、長く元気に活躍していけるような取り組みがますます重要となっています。

新しい時代はどのような時代として記憶されるでしょうか。できれば平穏で、ひとり一人が伸び伸びと活躍できるような時代であることを願っています。そして一職員としても、皆様にとってよき伴走者となれるよう、努力と意識改革を続けていきたいと思います。ちょうど時間となりましたので今日はここで失礼いたします。

「健康さんぽ82号」

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